赤ちゃんの肌の色は、両親から受け継いだ複数の遺伝子の組み合わせで決まりますが、生まれた直後の色はそのまま続くわけではありません。生まれたての赤ちゃんは赤や紫っぽく見え、生後2〜3日でやや明るくなっていくのがふつうです。一方で、肌が黄色く見える状態が長引くときは、色の個性ではなく黄疸の可能性があるので、医師に相談しましょう。
生まれた直後の赤ちゃんが赤黒く見える理由
生まれたばかりの赤ちゃんの肌は、多くの人が想像するよりずっと赤い色をしています。アメリカ国立医学図書館のMedlinePlusでは、新生児の肌について次のように説明しています(MedlinePlus:新生児の皮膚所見)。
- 健康な新生児の肌は、濃い赤や紫っぽい色をしている。
- 手足は生まれたときは青っぽい。
- 生後2〜3日たつと肌はいくらか明るくなり、乾燥して皮がむけることもある。
- その後も、泣くと赤くなったり、寒いと唇や手足が青っぽく、まだらに見えたりする。
つまり、「生まれたときは赤黒かったのに、数日で白っぽくなった」というのは、多くの赤ちゃんに見られる変化です。このタイミングの肌の色は、将来の肌の色をそのまま表しているわけではありません。
肌の色の遺伝は「足し算」に近い
肌の色は、ひとつの遺伝子で「白い・黒い」が決まるものではなく、たくさんの遺伝子の小さな影響が積み重なって決まると考えられています。
日本人を対象にした研究もあります。東北大学などのグループは、東北メディカル・メガバンク計画に参加した宮城県・岩手県の住民約1万人のデータを解析し、日本人の肌の色や日焼けのしやすさに関連する遺伝子を7つ特定しました。そのなかで、日本人のスキンタイプに最も強く影響していたのは OCA2 という遺伝子だったと報告しています(東北大学プレスリリース、2019年)。
この結果からわかるのは、次のようなことです。
- 肌の色には複数の遺伝子が関わるため、両親の中間くらいの色になることが多い一方、きょうだいで肌の色が違うこともある。
- 両親のどちらか一方の肌の色がそのまま受け継がれる、と単純には言えない。
- 「日焼けで赤くなりやすいか、黒くなりやすいか」といった肌のタイプにも遺伝が関わっている。
「いつ白くなる?」生後数か月の肌の変化
「赤ちゃんの肌はいつ白くなるの?」という疑問には、いくつかの変化が重なっています。
| 時期 | 起こりやすい変化 |
|---|---|
| 生まれた直後 | 濃い赤〜紫っぽい。手足は青っぽい |
| 生後2〜3日 | 全体にやや明るくなる。乾燥して皮がむけることも |
| 生後2〜4日ごろ | 多くの赤ちゃんで、黄疸による黄色っぽさが出ることがある |
| その後 | 泣くと赤く、寒いとまだらに。日光を浴びる量でも色は変わる |
生後数か月で両親の肌の色に近づいていくように見えることもありますが、何か月で「決まる」という決まった目安はありません。季節や日光を浴びる量でも見え方は変わります。
なお、おしりや背中に見られる青いあざ(蒙古斑)は、肌の色そのものとは別のものです。MedlinePlusでは、蒙古斑は肌の色が濃い赤ちゃんに多く、ふつうは1年以内に薄くなると説明しています。
黄色っぽさが気になるときは受診の目安に
肌の色の個性とは違い、肌が黄色く見える場合は黄疸の可能性があります。MedlinePlusでは、新生児の多くに見られる生理的な黄疸は生後2〜4日ごろに目立ち、ふつうは2週間ほどで消えると説明しています(MedlinePlus:新生児黄疸)。
同じページでは、次のような場合は医師に連絡するよう勧めています。
- 黄色がとても強い、または健診のあとも黄色さが強くなっている。
- 2週間以上続く。
- 足の裏まで黄色く見える。
- 熱がある、ぐったりしている、おっぱいやミルクをあまり飲まない(この場合は急いで受診)。
日本では、母子健康手帳に便の色を確認するカード(便色カード)がとじ込まれています。黄色っぽさとあわせて便の色も見ておくと、受診のときに説明しやすくなります。
両親の写真から、赤ちゃんの雰囲気を想像してみる
ふたりの肌の色や顔立ちがどう混ざるか、イメージして楽しみたい人は、SeeMyBabyの パパ・ママの写真から赤ちゃんの顔を想像する機能 を使う方法もあります。パパとママの写真を1枚ずつ選ぶと、ふたりの面影をまぜた新生児のポートレートを約1分で描きます。作成前の質問でルーツ(アジア系など、または「答えない」)を選ぶと、肌の色や顔立ちの参考にします。
できあがるのはAIが想像したポートレートで、遺伝子を調べたり、実際の肌の色を当てたりするものではありません。生まれたての赤ちゃんの本当の姿は 生まれたての赤ちゃんの見た目 で、目の色の変化は 赤ちゃんの目の色はいつ決まる? で解説しています。どちらに似るかは 赤ちゃんは誰に似る? もどうぞ。ほかの記事は SeeMyBabyブログ から読めます。
参考資料
- MedlinePlus. Skin findings in newborns. ページを読む
- MedlinePlus. Newborn jaundice. ページを読む
- 東北大学ほか「遺伝子で決まる日焼け・白肌」プレスリリース(2019年)、論文は Journal of Investigative Dermatology に掲載。PDFを読む
パパ・ママからよくある質問
生まれたときに色黒だと、大きくなっても色黒ですか?
生まれた直後の赤黒さは、新生児に多く見られる一時的な色で、生後2〜3日で明るくなっていきます。その時点の色だけで将来の肌の色はわかりません。
赤ちゃんの肌の色はパパとママのどちらに似ますか?
肌の色には複数の遺伝子が関わるため、どちらか一方に決まるものではありません。両親の中間くらいになることも多いですが、きょうだいで違うこともあります。
赤ちゃんの肌が黄色いのは遺伝ですか?
生後数日の黄色っぽさは、多くの場合は新生児黄疸です。2週間以上続く、足の裏まで黄色い、ミルクを飲まないなどの場合は医師に相談しましょう。
色白の赤ちゃんにするためにできることはありますか?
肌の色は遺伝で決まる部分が大きく、色白にする方法はありません。赤ちゃんの日焼け対策で気になることは、健診のときに小児科や保健師に相談してみてください。
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