4Dエコーに映る顔は、超音波の反射から組み立てた立体の「表面」で、写真ではありません。鼻が大きく見えたり、顔がむくんで見えたりするのは、顔の前の羊水の量、顔に重なる胎盤や手、画像に付ける陰影の影響が大きく、生まれたあとの顔立ちをそのまま表しているわけではないのです。エコーの顔と実際の赤ちゃんで何が違って見えるのか、仕組みから順に見ていきましょう。
4Dエコーの顔は「反射から組み立てた立体像」
4Dエコーの顔は、カメラで撮った写真ではなく、超音波の反射データから機械が描き起こした立体像です。
ふだんの健診で見る白黒の2Dエコーは、体を薄く切った断面の画像です。3Dエコーはこの断面のデータを奥行き方向にも集めて立体の表面を作り、4Dエコーはそれをリアルタイムに作り続けることで、動く映像として見せています(臨床婦人科産科 64巻4号, 医学書院)。
そのため、画面の顔には次のような「作られた部分」が含まれます。
- 色:肌色やオレンジ色は、装置が表示用に付けた色です。実際の肌の色は映りません。
- 陰影:画面の中に仮想の光を当てて影を付けるので、光の向きで顔の印象が変わります。
- 表面のなめらかさ:反射が弱いところは、装置が補って面をつなげます。
2D・3D・4Dの違いは3Dエコーと4Dエコーの違いで詳しく比べています。
鼻が大きく、顔がむくんで見える4つの理由
鼻が大きく見える、顔が平たく見えるといった印象は、ほとんどが撮影条件で説明できます。英国医用超音波学会(BMUS)で2023年に発表された研究では、3Dで撮った胎児の顔の画像342枚を調べ、画質に影響した要因として、妊娠週数と顔のまわりの羊水の量、胎盤の位置、顔を隠す手足、赤ちゃんの向きなどを挙げています(BMUS 2023 ポスター発表)。学会でのポスター発表で、規模の小さい研究ですが、エコー外来でよく聞く説明とも重なります。
| 理由 | 画面で起きること |
|---|---|
| 顔の前の羊水が少ない | 顔と子宮の壁や胎盤のあいだにすき間がなく、輪郭がつながって鼻や頬がふくらんだように見える |
| 胎盤や手、へその緒が重なる | 重なったものが顔の一部として描かれ、鼻が長く見えたり、口元がゆがんで見えたりする |
| 陰影の付け方 | 鼻先や頬など出っぱった部分に光が当たり、実際より大きく強調される |
| 週数がまだ早い | 皮下脂肪が少なく、骨ばった印象や、しわの多い顔に見えやすい |
最後の点については、米国のクリーブランド・クリニックが、胎児は妊娠23週ごろから急速に脂肪をつけはじめ、25週ごろには皮膚のしわが減ってふっくらしてくると説明しています(Cleveland Clinic)。同じ赤ちゃんでも、撮る週数によって顔の印象が変わるのはこのためです。顔が見えやすい週数は4Dエコーはいつから・いつまで?にまとめています。
「怖い」「ブサイク」に見えても心配しすぎなくていい
4Dエコーの顔が怖く見えても、それだけで何かがわかるものではありません。表情や見た目の印象は、上の表のような撮影条件で大きく変わるからです。
自費で受ける3Dエコーのサービスは、多くの場合、健診とは別の「記念撮影」として行われています。たとえば信州大学医学部附属病院の案内では、目的は赤ちゃんの表情や動きを家族で楽しむことで、撮影は臨床検査技師が担当するため、発育の状態や異常の有無などには答えられないと明記されています(信州大学医学部附属病院)。赤ちゃんの発育を確かめるのは、ふだんの妊婦健診です。気になることがあれば、写真の印象で悩むより、次の健診で医師に直接聞いてみてください。
ちなみに、生まれたばかりの赤ちゃんの顔も、むくんでいたり、産道を通ったときの圧で鼻が平たくなっていたりすることがあります。こうした変化は数日から少しずつ落ち着くとされています(KidsHealth)。生まれた直後の見た目については新生児の見た目は?をどうぞ。
エコーでわかること、わからないこと
4Dエコーで見えるのは、顔の大まかな形と表情までです。顔立ちのなかでも、エコーにはそもそも映らない部分があります。
| 4Dエコーで見えるもの | 4Dエコーではわからないもの |
|---|---|
| 顔の輪郭の大まかな形 | 肌の色 |
| 口を開ける、あくびをするなどの表情 | 目の色、髪の色や量 |
| 手を顔に当てるなどのしぐさ | まぶたが二重か一重か |
| 目や鼻、口のおおよその位置 | 生まれた直後のむくみがどう引くか |
まぶたについては、生まれてから変わっていく赤ちゃんも多いので、赤ちゃんの二重はいつから?もあわせて読んでみてください。
エコー写真から生まれた姿を想像してみる
エコーの顔を見て「生まれたらどんな顔だろう」と想像するのも、妊娠中の楽しみのひとつです。SeeMyBabyは、エコー写真を1枚選ぶと、AIが新生児の姿を想像したポートレートを約1分で描くiPhoneアプリです。くわしくはエコー写真から赤ちゃんの顔を想像する機能のページで紹介しています。
2D・3D・4Dのどのエコー写真でも使え、健診でもらったプリントを撮った写真やスクリーンショットでもかまいません。横顔がはっきり映った3D・4Dの写真ほど元になる情報が多く、2Dの写真ではそのぶん想像の部分が大きくなります。できあがるのはお楽しみのための想像図で、顔立ちを当てるものではありません。
パパ・ママからよくある質問
4Dエコーで鼻が大きいと、生まれても鼻が大きいですか?
そうとは限りません。鼻が大きく見えるのは、羊水の量や陰影の付け方、顔に重なるものの影響が大きく、エコーの鼻の大きさがそのまま実際の顔立ちを表すわけではありません。
4Dエコーの顔が怖く見えるのは異常のサインですか?
見た目の印象だけで何かがわかるものではありません。発育は妊婦健診で確認するものなので、気になることがあれば健診で医師に聞いてみましょう。
4Dエコーの顔は、何週ごろだと実物に近く見えますか?
皮下脂肪がついてふっくらしてくる時期のほうが、生まれたあとの印象に近づきやすいといえます。撮影に適した時期は施設によって案内が異なり、たとえば信州大学医学部附属病院では妊娠25〜33週ごろとしています。
エコーで顔が見えなかったら、どうすればいいですか?
赤ちゃんの向きや手の位置は数分で変わることがあるので、少し時間をおいて見直してもらえるか聞いてみましょう。顔が隠れる理由と工夫は胎児が顔を見せてくれない時は?にまとめています。
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